タイ軍とカンボジア国防相は24日、両国の国境係争地付近で、双方の軍事衝突が発生したと発表した。戦闘の範囲は拡大しており、砲撃の応酬が生じている。タイ軍は、タイ側で子どもを含む民間人9人が死亡したと発表。衝突で自国の兵士2人が負傷したとしている。両国が領有権を主張する係争地で5月に銃撃戦が発生して以降、対立は過熱しており、本格的な武力衝突の恐れがさらに高まった。
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タイ軍は、カンボジア側が銃撃を始めたと主張。カンボジア側が現地に無人機を派遣して偵察を行い、重火器を所持した兵士を現地に派遣したと主張している。一方、カンボジアの国防相は同日、タイ側が領内に侵入し、先に武力攻撃を行ったと発表。自衛の範囲で対処したと主張している。
23日には、国境係争地付近を巡回中のタイ兵が地雷を踏み、爆発で右足に重傷を負ったと、タイ軍が発表していた。タイ軍は、地雷がタイ領内に設置されていたと主張するが、カンボジア政府はこれを否定し、非難の応酬となっていた。
23日の事件を受け、タイは東北部のカンボジアとの国境検問所を全て閉鎖。駐カンボジア大使をタイに呼び戻し、タイ駐在のカンボジア大使を帰国させる意向を示した。カンボジアとの外交関係を格下げする方針も示した。
両国はタイ東北部とカンボジア北部の国境画定を巡って1世紀以上争ってきた。5月にカンボジア兵1人が死亡する銃撃戦が発生。7月16日にも別の係争地で地雷を踏んだタイ兵3人が負傷、うち1人が左足切断の重傷を負っていた。
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