バンコクで2025年8月22日、王室不敬罪を問われた裁判で無罪判決を受け、裁判所を去るタクシン元首相=ロイター

 タイの刑事裁判所は22日、インタビューでの発言をめぐり王室に対する不敬罪に問われたタクシン元首相に対し、無罪判決を言い渡した。ただ、次女のペートンタン首相や自身が絡む裁判の判決が今後立て続けに予定され、長く「政治王朝」として君臨してきたタクシン一族にとって正念場が続く。

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 2006年の軍事クーデターをきっかけに海外逃亡中だったタクシン氏は15年、韓国の朝鮮日報の取材に、妹のインラック首相(当時)が失脚した14年のクーデターをめぐり、国王の諮問機関である枢密院や「王室サークル」が支持したと発言。これが不敬罪に当たるとして、今年6月に起訴されていた。

 これに対し判決は、タクシン氏の発言には、枢密院や王室サークルへの言及はあるものの、当時のプミポン国王を指し示す言葉はなく、侮辱した証拠はないと断じた。

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