My吹部seasons
早稲田摂陵高校ウィンドバンド(大阪府茨木市)は2月22日、大阪市のザ・シンフォニーホールで「最後」の定期演奏会を開催した。
早稲田大学の系属校である早稲田摂陵は、新年度から早稲田大阪高校に校名が変わる。
ウィンドバンドは度々、名前を変えて歴史を紡いできた。始まりは、1957年に阪急百貨店によって創設された男子のみの阪急少年音楽隊だった。
音楽隊は、ステージマーチングを日本で初めて導入。パレードの際に先頭を行くバナー(横向きの旗)や、イラストや文字で演出するスーザフォンのベルカバーを使うなど先駆的なバンドだったという。
音楽隊は40年後の97年から、女子のみの阪急商業学園ウィンドバンドに移行。その後、学校の変遷などに伴い、楽団も、向陽台高校阪急ウィンドバンド、向陽台高校ウィンドバンドを経て、2009年から早稲田摂陵高校ウィンドバンドとなった。早稲田摂陵は共学だが、ウィンドバンド部員は吹奏楽コースに所属する女子生徒だけで、みんながクラスメートだ。
クラシック曲などを演奏する「フォーマルステージ」から始まった今年の定期演奏会。定期演奏会の会場には、阪急少年音楽隊の時代から早稲田摂陵までのバナーが飾られていた。ここに、新年度からは早稲田大阪のものが加わる。
定期演奏会のステージにいる部員たちが身につけている衣装のジャケットはすみれ色。「阪急」でゆかりがある宝塚歌劇団のシンボルであるすみれの花にちなんでいる。そこにも、この楽団の歴史が見て取れる。
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早稲田摂陵ウィンドバンドには、部長がいない。その代わり、3年生が週替わりのリーダー「週番」を務める。バンドの中でサックスを吹いている3年生の後田あかりは、今年度の最後の「週番」だった。定期演奏会前日に学校で取材した際には腕に「週番」と書かれた腕章をつけていた。
あかりは言う。
「みんなが週番としてまとめ役をするので、自然と全員がバンド全体のことを考え、責任感を持つようになるいい仕組みだと思います」
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