タイの検察当局は18日、同国政界に強い影響力を持つタクシン元首相を王室に対する不敬罪で起訴した。2006年の軍事クーデターで失脚後、海外逃亡中だった9年前の発言を問われた。タクシン派は連立政権を組む親軍保守派との対立も表面化。政治の先行きが不透明になっている。
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地元紙バンコク・ポストによると、タクシン氏は15年5月、韓国の朝鮮日報の取材に、妹のインラック首相(当時)が失脚した14年のクーデターをめぐり、国王の諮問機関である枢密院が支持したと発言。これが王室不敬罪に問われたという。禁錮3~15年が適用される重罪だ。刑事裁判所は18日、タクシン氏の保釈を認め、身柄は拘束しなかった。
タクシン氏は昨年8月、長年の政敵だった親軍保守派との間で、タクシン派のタイ貢献党が連立政権を発足させたのを機に15年ぶりに帰国。汚職罪などで一時身柄を拘束されたが、国王の恩赦で、今年2月に仮釈放されていた。
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