シンボルのアーケード、都道工事で撤去
「再開発で住民を追い出すな!」「アーケードを壊すな!」
4月13日、池袋駅から5分の東武東上線大山駅南口。約560メートルに及ぶアーケードが続く都内有数の商店街、「ハッピーロード大山商店街」(東京都板橋区)で、再開発に反対する住民らのデモがあった。
「幸せにつづく なが~い屋根」というキャッチフレーズで長年、地域住民に愛された商店街が今、再開発を巡り大きく揺れている。
東京都内各地で大規模な再開発事業が進み、街の姿が大きく変わり始めています。「100年に一度」ともいわれる再開発の現場で、何が起きているのか。東京はどのように変わり、人々の生活にどんな影響があるのか。連載で伝えます。
商店街は和菓子店や総菜店、クレープ店など昭和を感じさせるレトロな店が軒を連ねる。今も高校生からお年寄りまで、1日に3万人以上が訪れてにぎわう。テレビ番組で芸能人の食べ歩き特集が組まれ、区外からそれを目当てに来るお客さんも少なくない。
戦後の闇市が原点で、現在のアーケードが出来たのは1978年。この年、池袋に高層ビル「サンシャイン60」が開業した。客が奪われる危機感から二つの商店街が合併し、「雨が降っても安心して買い物できるアーケード」を売りに発展してきた。
だが、周辺には木造住宅が密集し、災害時に延焼したり、緊急車両が立ち往生したりすることへの懸念が年々、強まっていった。そのため、都はアーケードの中央部分を横切る形で、都道を広くすることを計画。2015年に事業化を正式決定した。
商店街の売りだった屋根は昨年、一部の約80メートルが取り外され、商店街は東西二つに分断されたような形となった。再開発に伴い、近くでは90メートル超の高層ビル2棟も完成した。今後、さらに約100メートル分の屋根が解体され、高さ100メートル超のビル2棟が建設される計画になっている。
立ち退き要求に「だまし討ち」と激怒
再開発に反対する人々がとり…