ダイハツ工業が、車両の認証不正問題で国内の全工場の稼働を停止してから3カ月半。滋賀(竜王)工場(滋賀県竜王町)では10日、全5車種の生産がようやく再開された。今回の問題で見えてきた課題や、施策の目指すべき方向性について、西岡正・立命館大経営学部教授(生産システム論・中小企業論)に聞いた。
――滋賀県経済への影響をどうみますか。
滋賀工場は従業員規模が4千人を超える主力生産拠点。自動車産業は多くの関連企業が集積し、裾野は広い。経済波及効果が大きく、マイナスの効果もそれだけ大きい。滋賀にとって大きな問題となった。
――行政の対応はどう評価しますか。
生産停止の原因は認証の不正取得だった。自治体が早期再開を促すことは難しい中、既存の枠組みで取り得る対応だった。「目先の対応」としては一定評価できるが、これで十分ではない。
――足りない点は何ですか。
支援が必要なのは、ダイハツ…