長野電鉄の事故現場。日野駅に向かって緩く右にカーブするあたりでパイプ小屋に衝突したとされる=2025年5月22日、長野県須坂市、志村亮撮影

 ダウンバーストかガストフロントの可能性が高い――。長野県北部を走る長野電鉄で5月21日夕方に乗客3人が死傷した事故の付近で吹いた強い風について、気象庁はそう指摘した。航空会社も恐れるというその現象はどんなものか。

 事故翌日の22日、須坂市小山の現場近くでは、長野地方気象台の調査班が当時の状況を住民にたずねて回っていた。

長野電鉄事故の現場付近で住民から当時の様子を聞く長野地方気象台の職員たち=2025年5月22日、長野県須坂市、志村亮撮影

 当時、県北部には「竜巻注意情報」が出ていた。ただ、調査班は21日午後5時40~50分に付近で吹いた突風は竜巻ではなく、ダウンバーストかガストフロントの可能性が高いと判断した。渦の目撃など、竜巻を示す情報がなかったからだという。風速は約30メートルと推定した。

 竜巻は、発達した積乱雲(入道雲)の上昇気流が、激しい渦巻き状の突風を引き起こす。被害跡は竜巻の通り道に沿って帯状に残ることが多い。

平均で年10件、頑丈な建物に避難を

 これに対し、ダウンバースト…

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