王谷晶さん(左)と柚木麻子さん

 英国推理作家協会(CWA)が優れた犯罪小説やミステリー小説に贈る同協会賞(ダガー賞)の翻訳部門の最終候補が29日に発表され、王谷晶さんの「ババヤガの夜」の英訳版「The Night of Baba Yaga」(サム・ベットさん訳)と、柚木麻子さんの「BUTTER」(ポリー・バートンさん英訳)が最終候補6作に入った。ほかに、日本でも人気のピエール・ルメートルさん(フランス)の作品も入っている。受賞作は、7月3日(現地時間)に発表される。

 「ババヤガの夜」は、暴力を唯一の趣味とする新道依子が、その腕を買われて、暴力団会長の娘を護衛することになる物語。

 「BUTTER」は、週刊誌記者の町田里佳が、男たちの財産を奪って殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子への取材を通し、翻弄(ほんろう)されていく物語。イギリスでは、大手書店チェーンの年間ベスト本に選ばれるなど話題になり、発行部数は日本語版をしのぐ40万部を突破した。

 ダガー賞をめぐっては、過去に、横山秀夫さんや東野圭吾さん、伊坂幸太郎さんが最終候補に選ばれているが、日本の作家が受賞したことはない。

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