ガーナから配信したACEの活動報告会。代表の岩附由香(左)はカカオの不作が深刻だと説明した=ガーナ・クマシ市内、ACE提供

現場へ! カカオの希望をさがして④

 世界の児童労働者の数は1億6千万人。子どもの10人に1人で、アフリカでは4人に1人だ。少しでも関心を持つ人を増やそうと、毎年6月12日の児童労働反対世界デーの前後には各地で啓発活動が行われる。

 ガーナでの活動を「進化」させているNGO・ACE代表の岩附(いわつき)由香(49)は13日、現地から報告会を配信。自宅に電気がなく、懐中電灯で勉強する少女らを紹介した。

 岩附たちは2023年末から、活動地域のカカオ豆を使ったチョコレートの限定販売を始めた。1枚1296円。子ども1人の半月分の給食費になる500円が寄付になる。日本での製造と販売、ブロックチェーンによる流通証明、フェアトレード認証の取得には、それぞれ外部の「応援団」が加わった。

 原料の仕入れに動いたのは、専門商社の立花商店(本社・大阪)。国の機関が取引を管理しているため難しかった産地指定の豆の買い付けに日本企業で初めて道筋をつけ、少量でも客の求めに合わせて対応することで知られる。

 ガーナ駐在の石本満生(38)は、ガーナに住み続けるため6年前に入社。農家に安全な飲み水がなく、子どもたちが下痢に苦しむ姿にショックを受けた。取引先の日本のチョコレートメーカーと一緒に、4年がかりでカカオ豆を買い付けるすべての地区で、井戸水を確保した。

 いま石本が目にしているのは、カカオ産業の危機だ。金の違法採掘と隣り合わせの所では土地を売り、日雇い労働につく人がいる。若者の農業離れが進み、子どもには継がせないと話す農家も多い。

 「日本とガーナをつなぐきっ…

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