テクノロジーで政治を変える――。
そんなスローガンを掲げた政治団体「チームみらい」が参院選で1議席を獲得し、国政政党としての要件も満たした。
選挙区と比例区で計15人を擁立。そのうち、代表でAIエンジニアの安野貴博氏(34)が当選を決めた。
当選が確実と報じられた20日夜、安野氏は仲間を前に、笑顔で拳を突き上げた。
「我々にとって、当選はゴールではなく、スタートだと思っています」
AIエンジニアとして、業界では知られた存在だった。東京大学工学部を卒業後、外資系コンサルティング会社を経て、AIを活用したスタートアップ企業を創業。その名前がさらに知られるようになったのは、昨夏の東京都知事選だった。
急速に進化する生成AIを生かした分析でSNS上の膨大な投稿から民意をくみ取れば、よりよい政策立案につながり、市民が抱える政治への無力感に風穴を開けられるのではないか。そんな思いから、都知事選への挑戦を決めた。
政党からの擁立の打診を固辞、貯金をはたいて新党設立
初めての選挙戦で「デジタル…