四回表、中越えの3点適時三塁打を放ち、ベンチに向かってガッツポーズする豊川の中神和大選手=2025年5月25日、津、松本敏博撮影

(25日、第72回春季東海地区高校野球大会1回戦 豊川17―7桐陽=7回コールド)

 チームで一番の練習量は、うそをつかなかった。

 昨秋から、豊川が今春の大きな目標にしてきた「東海制覇」。その足がかりとなる試合で、7番で起用された中神和大(かずひろ)選手(3年)が快音を連発した。

 一回、2点を先制した後の打席で、リードをさらに広げる左翼線への2点適時二塁打。桐陽の反撃ムードになりかけていた四回には、満塁から走者一掃の3点適時三塁打を放ち突き放した。19安打17得点の豊川打線の中でも、5打点の活躍でひときわ輝いた。

 県大会では、同じ外野を争うチームメートの好調で、3回戦から決勝まで4試合続けてスタメンを外れていた。それでも腐らず、勝負強さが持ち味という打撃で結果を出すため、バットを振り続けた。

 エースの中西浩平投手(3年)は「いつも一番遅くまで自主練習している。試合に出ていてもベンチでも、カズがいるだけで心強い」と信頼を寄せる。長谷川裕記監督も「練習はうそをつかない。大事な試合だからこそ『中神に賭けてみたい』と思った」と信じてスタメンに抜擢(ばってき)した。そんな努力家がヒットを打つたび、豊川ベンチは大きく湧いた。

 活躍にも満足せず、さらに上を目指す。「第一打席で最初のストライクを打ちに行けなかった。結果が出たのはうれしいけど、打席内容ももっと求めていきたい」

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