農水相の事実上の更迭について記者団の取材に答える国民民主党の玉木雄一郎代表=2025年5月21日午前11時2分、国会内、南有紀撮影

 国民民主党の党内統治に「異変」が生じている。失言をした農林水産相の責任の取り方をめぐり、玉木雄一郎代表と榛葉賀津也幹事長が正反対の主張を発信。参院選の候補者選定では、党内の懸念を押し切った執行部に対する不満がくすぶり、公認内定を辞退する動きも出ている。

 「庶民感覚、国民感覚の分からない大臣は即刻辞めるべきだ」。20日午後の参院外交防衛委員会。江藤拓農水相(当時)の「コメは買ったことがない」との失言をめぐり、榛葉氏が怒気を含む声でこう主張すると、党内外に驚きが広がった。

 わずか2時間半ほど前の会見では、玉木氏が「辞めろとは言わない。結果を出して欲しい」と述べたばかり。党のツートップが、異なるメッセージを発するのは極めて異例の出来事だった。

 この日朝の時点で、古川元久国会対策委員長は立憲民主党側と「厳しい対応が必要だ」との認識で一致していた。玉木氏の発言は、党執行部の中ですり合わせができていなかったことを示す。党関係者は「ガバナンスがどうなっているのかと言われても仕方がない。互いに電話一本を入れて意思疎通をしておくべきだった」と話す。

 参院選比例区の候補擁立をめぐっても混乱があった。さらなる党勢拡大のため「即戦力」を求めていた執行部は、国民民主の元衆院議員の山尾(本名菅野)志桜里氏や、立憲に所属していた前参院議員の須藤元気氏ら4人の擁立を準備。だが、4月中に一部で報道されると、SNS上では彼らの過去の言動への批判が目立つようになった。

公認内定を辞退した理由は…

 党内からは「支援者の理解が…

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