「オルタナティブスクール」への関心が高まっている。従来の学校教育とは異なる理念や教育法を取り入れた学びの場で、「もう一つの学校」とも言われ、多様な学びを求める子どもや保護者から選ばれている。その魅力と課題とは――。(塩入彩)
まなviva!(まなび場)
幼い子から人生のベテランまで。「学ぶ」をとりまく喜怒哀楽や最新事情を伝えます。
3月半ばの平日。東京都世田谷区にあるオルタナティブスクール「ヒロック初等部(世田谷校)」を訪ねると、子どもたちはノートやタブレット端末を手に、机を使ったり床に寝転がったり、思い思いのスタイルで学習にとりくんでいた。何をどこまで学ぶか、子どもたちが自由に決めて取り組む「自由進度学習」の時間だ。
最初に「新しい英単語を13個覚える」「鎌倉時代について調べる」など、各自で内容や目標を設定。それぞれが学ぶ様子を、「シェルパ」と呼ばれる指導スタッフがこまめに見てまわり、「確認はどうやるつもり?」「~もやってみたら良いんじゃない?」など、気づいた点を助言する。
ヒロックでは、こうした時間や教科横断的な授業などで、学習指導要領の7割程度の内容をカバーしつつ、探究学習や英語などで独自の教育も取り入れる。昼休みや自由時間など、隣接する都立砧公園で過ごす時間も多い。宿題やテストはない。
「子どもたちが本当に必要だと思う教育を」
2022年、「子どもたちが…