ベルリンにある米電気自動車メーカー、テスラの販売店前で行われた抗議デモに参加する人たち=2025年4月5日、寺西和男撮影

 米国との関係が急速に冷え込む欧州で、米国製品に対する不買運動が広がっている。トランプ米大統領が進める関税措置などの強引な手法に消費者の批判が噴出。米製品の代わりに、欧州製品を買う動きも出ている。

  • なぜ関税強化なのか トランプ政権ブレーンが語る「改革保守」の真意

 「イーロン・マスクを止めろ」。ドイツ・ベルリン中心部にある米電気自動車メーカー、テスラの販売店前で5日、「テスラをボイコットしろ」などと書かれたプラカードを掲げた市民ら数百人が声を上げた。

 テスラの経営者で、トランプ政権の要職につくマスク氏は2月のドイツ総選挙で、排外主義的な主張を掲げる右翼「ドイツのための選択肢(AfD)」を支援するなどして「内政干渉だ」と批判を浴びた。デモに参加したデザイナーのオリバー・メツガーさん(57)は、「ドイツの極右勢力に肩入れするマスク氏への抗議のつもりで来た」と話した。エンジニアのベンジャミンさん(35)は、反右翼に加えて「関税などで各国に圧力をかけるトランプ政権への抗議の思いもある」と語った。

 ドイツでの1~3月のテスラの新車販売は前年同期比62%も減少した。量販車のブランド別では2番目に落ち込み幅が大きかった。

不買運動の「組織化」進む国も

 不買運動は、米国の象徴とも言えるコカ・コーラやマクドナルドにも広がる。

 調査会社IFOPが3月、1…

共有
Exit mobile version