「技研公開2025」で体験できるイマーシブメディア。3Dディスプレーや温度、香りなどを体感することができる

 放送技術を研究・開発するNHK放送技術研究所(東京都世田谷区砧(きぬた))は29日~6月1日、研究成果を一般向けに公開する「技研公開2025」を開く。4K、8K放送の先にある新時代の技術の一つは「没入感」がテーマだ。近い未来、お茶の間のテレビでにおいや手触りも体感できるかもしれない。

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 イマーシブは「没入型の」と訳される言葉。技研のイマーシブの研究には二つの軸があるという。

 一つ目の軸は「感覚の拡張」だ。

 これまでの視覚、聴覚に加えて、触覚、嗅覚(きゅうかく)といった多感覚の研究を進めている。今回の展示では、触覚と香りを体感する3Dコンテンツとして、昭和の商店街を技研のキャラクターと歩く映像体験を用意。ゴーグルなどをつけずに、目の前のモノが飛び出す表現ができるようになった。

 また、振動をさせたり、温度を変えたりすることができる装置を手に持つことで、かき氷を削る場面では振動が伝わり、シロップがかかると、画面近くの装置から甘い香りが漂ってくる。

 もう一つの軸は、映像・音響の進化だ。

 技研では360度の視界を覆う映像体験により、映像の中に入り込んだような感覚をもたらすことを目指している。

 今回の展示では、6台のカメラを組み合わせた五角柱形の「360度カメラ」で撮影した映像を半球のスクリーンに流す。

 例えば、屋根なしの観光バスが東京駅や銀座周辺を走る映像では、高架下を走る時に思わず、身をかがめてしまうような臨場感を味わえる。

 午前10時から午後5時、入場無料。

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