Smiley face

 昨年1月に起きた能登半島地震による生活環境の変化などから、介護が必要な高齢者が増えています。介護サービスを提供する事業所は、被災した職員の離職などで人手不足に直面しながらも、知恵を絞り懸命に支援を続けています。石川県北東部の珠洲市は、被害が大きかった奥能登地域のなかでも特に要介護者の増加が顕著です。高齢者、支援者の現状は――。現地を訪ねました。

震災境に「何もわからんように……」

 「こんにちは。調子はどうですか」。珠洲市社会福祉協議会のケアマネジャーで認定調査員の大谷内麻理子さん(61)は3月半ば、仮設住宅で暮らす池筒(いけんどう)勇さん(91)宅を訪問した。2023年4月に要介護1となった池筒さんの要介護認定の更新のため、大谷内さんが調査票に基づき、身体機能や生活の状況、認知機能などについて質問していく。

  • 介護必要な高齢者、能登半島地震後に急増 輪島市・珠洲市は15%増

 「お名前は?」「今の季節は?」「私が来る少し前、何をされていましたか?」「背もたれがなくても座れますか?」……。池筒さんは、はっきり答えられるものがある一方で、「ちょっと思い出せん」と言うことも。

 地震で自宅が損壊し、避難所などを経て昨年1月半ば、息子が手配してくれた野々市市の一軒家へ。8月下旬に自宅に戻ったが、9月の豪雨被害で住めなくなり、10月、今の仮設住宅に入居した。

写真・図版
珠洲市社会福祉協議会デイサービスセンターに通う高齢者に寄り添う職員(右)=珠洲市

 勇さんについて、妻の友子さ…

共有