2025年春夏シーズンの東京ファッションウィーク(楽天ファッションウィーク東京)が、東京・渋谷ヒカリエなどで開かれている。7日までの6日間で33ブランドが公式参加し、リアルショーやオンラインで新作コレクションを発表する。
初日の幕開けを飾ったのは、世界的な活躍が見込める新進デザイナーに贈られる「JFWネクストブランドアワード2025」を受賞したテルマ。ブランド初となるランウェーショーでは、オーガンディなどの透ける素材に捺染(なっせん)プリントで花や幾何学模様を施した軽やかなルックの数々を披露した。
使用している生地の6~7割が各地の職人と協業して作ったオリジナルといい、なかには和紙100%の布に金箔(きんぱく)をのせたり、綿のジャージー素材を加工してムートンに見せたりといった特殊な技も。ドリス・ヴァン・ノッテンとイッセイミヤケで経験を積んだデザイナーの中島輝道は「日本の高温多湿な環境は繊細なものづくりに向いていて、産地に根ざした素材は世界に通用する」と語る。
「狂気」を今季のテーマに据えたミツルオカザキは、白いスニーカーやトップスの胸元に血しぶきのようなおどろおどろしい表現をあしらった。破れとも裂け目ともつかない端正な長円形のカットは、デザイナー岡崎満によれば「ちょっとエレガント寄り」。一見すると相反する要素だが、「突き詰めた狂気には心を揺さぶられる。エレガントも突き詰めると狂気じみてくる」という。
一方、デザイナー自身の「狂気」を感じさせたのがシンヤコヅカだ。
約600人の観客に配った招…