JR新宿駅前で行われた街頭アピールには、多くの人が集まった=2025年8月1日、東京都新宿区、山本知佳撮影

 7月の参院選で外国人や海外にルーツを持つ人々への差別的な言動が広がったことを受け、弁護士らが1日夜、東京・新宿駅前で、「デマと差別が蔓延(まんえん)する社会を許しません」などと訴える街頭アピールを行った。

 呼びかけ人には、弁護士の太田啓子氏や指宿昭一氏、畠山澄子・ピースボート共同代表、音楽プロデューサーの松尾潔氏、作家の村山由佳氏ら12人が名前を連ねた。

 新宿駅前の広場には、主催者発表で千人以上の人が集まった。音楽プロデューサーの沖野修也氏は「一人一人がデマと差別はダメだと口にすることで、社会は一歩前進する」と訴えた。

 参加した杉並区の音楽家、笠置英史さん(40)は、難民申請者の送還などを盛り込んだ入管法改正に反対するため2年前につくった「差別やめろ」と書かれたプラカードを掲げた。「今も掲げなければいけないことが悔しい」。

 世田谷区の20代の会社員女性は、仕事帰りに参加した。性的マイノリティー(LGBTQ)の当事者で親戚には国際結婚をした人もいる。参院選でLGBTQや在留外国人を否定する言説を聞き、嫌な気持ちになったという。「差別を許さないという、当たり前のことを言わないでいい社会になってほしい」と話した。

 太田氏らは国会議員に対して、外国人を含むすべての人の尊厳が大切にされる社会を目指すよう求めるオンライン署名(https://chng.it/WMKhZTJmPp)も行っている。

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