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ゴジェックドライバーとして働くイクサン・ファジャールさん。イスラム教徒はお祈り前に体と衣服を整える必要があるが「雨や泥で汚れていてはできない」と、お祈りを断念せざるを得ないこともあるという=2025年5月26日、ジャカルタ、河野光汰撮影
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 スマホ一つでタクシーの配車や料理の出前ができるデリバリーアプリ。「デリバリー大国」インドネシアにはユーザーが6千万人を超えるアプリがあるが、アプリ経由で単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」として働く人々から悲鳴が上がっている。その1日に同行すると「国民的アプリ」がもたらした功罪が見えてきた。

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 通勤時間帯のジャカルタ中心部。車列の合間を縫うようにバイクで走る人たちの多くは、国民的な人気を誇るアプリ「Gojek」(ゴジェック)のドライバーだ。ゴジェックはバイクタクシーを含むタクシーや出前、郵便の配達などのサービスを展開しており、いち早く依頼を受けようと、路側帯でスマホを操作するバイクの一団はもはや風景の一部だ。

 ゴジェックは、それまで自由業が大半だったドライバーの客待ち時間の長さを解消しようと、2010年に設立。事前予約制を導入したことで、ドライバーにとっても効率よく客入りが見込めるようになった。地元メディアによると、22年のユーザー数は国内で約6400万人に上ったという。

 平日の朝、ドライバーのイクサン・ファジャールさん(30)と待ち合わせた。合流直後に「もう行かないと」と出発。記者は別のバイクの後ろに乗って後を追った。

1万ルピア(約90円)でも「ありがたい」

 約1400万ルピア(約12…

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