トヨタ自動車の社旗=愛知県豊田市

 トヨタ自動車が、福岡県で進める電気自動車(EV)向けのリチウムイオン電池工場の建設計画を当面、延期する方針を固めた。「次世代EV」などの電池の供給拠点にする考えだが、世界でEVの需要が想定より伸びておらず、戦略の見直しに踏み切った。佐藤恒治社長が近く県庁を訪れ、着工の延期を報告する方向で調整している。

 23日、トヨタ関係者への取材でわかった。トヨタは、品質の確保に時間がかかる新技術が多いことを理由に、次世代EVの発売延期を検討していた。EVの投入計画が全体的に後ろ倒しになっていることに加え、資材や労務費の高騰によって建設費がかさむことも、見直しの背景にあるという。

 新工場は、福岡県が造成する「苅田港新松山臨海工業団地」(同県苅田町)の用地で、25年ごろに着工する予定だった。トヨタは今年2月に用地を取得。経済安全保障推進法に基づく国の補助金を受けて建設することもすでに決まっている。

 敷地面積は約28万平方メー…

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