名古屋銀行の藤原一朗頭取=名古屋市中区

 名古屋銀行の藤原一朗頭取が朝日新聞の取材に応じ、地域の基幹産業である自動車のサプライチェーン(供給網)を維持、強化するための取引先支援を加速させる考えを示した。人手不足のなか「カイゼン」に手が回らない取引先が少なくないといい、藤原頭取は「『現地現物』でお客様の悩みを解決していく」と話す。

 専任組織として、自動車サプライチェーン支援室を設置し、トヨタ自動車系部品メーカーの出身者ら5人を現場改善コンシェルジュとして採用。外部の専門家約160人とも連携している。

 営業現場からの声を踏まえて、おもに中堅・中小・零細企業の製造現場の改善や販路の拡大、電動化や脱炭素への対応といった経営課題の解決を、現場に出向きながらサポートする。

製造現場の課題解決にあたる名古屋銀行の現場改善コンシェルジュ(青い帽子)=名古屋銀行提供

 名古屋銀は、トヨタなど完成車メーカーの車づくりを裾野から支える取引先を、顧客に数多く抱える。しかし、「サプライチェーンを支える企業は人手不足の問題があり、やれることには限界がある」と藤原頭取。

 そこで、自動車サプライチェーン支援室の前身となる組織を2019年に設けて以降、コンシェルジュの拡充など支援体制の強化を続けているという。

事業承継の支援にも注力

 藤原頭取は、製造工程や不良…

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