牛のような白と黒の毛並みで、後に「うしお」と名付けられる猫。脚にけがをして、大阪府岸和田市内の駐車場にいるのが目撃されたのは、今年3月10日のことだった。
情報を得て、隣の和泉市で動物愛護の活動をする森聡子さん(56)や、仲間の塔筋美砂江さん(53)らが付近を捜索。11日午後に民家の納屋で警察官や保健所職員の立ち会いの下で保護し、大阪府八尾市の動物病院に運び込んだ。
左の前脚と右の後ろ脚に、さびた鉄のトラバサミがついていた。鳥獣保護法で原則、使用が禁止されているわなだ。
何とか脚を抜こうと、もがいたらしい。傷が広がり、その2本の脚は壊死(えし)して赤黒くなっていた。
しばらく何も食べていないようで、胃の中は空っぽ。獣医師の橋本恵莉子さん(42)は、左前脚は肩の下から、右後ろ脚はひざのあたりから、切断する手術を施した。
解決の道は
野生の鳥獣を捕まえるためのトラバサミの使用は、「他の方法では目的が達成できない」場合などに限って、狩猟者登録証を持つ人らに都道府県知事などが許可を出す。
ただ、トラバサミが安易に使…