熊本市電の乗務員の正規雇用化について説明する大西一史市長=2025年7月15日、熊本市役所、林国広撮影

 熊本市電でトラブルが相次いでいる問題を受け、市は15日、現状はほぼ全員が非正規雇用の乗務員を来年4月から正規職員として雇用する、と発表した。大西一史市長は同日の定例記者会見で「雇用の不安定さがトラブルの遠因。安心して働ける環境をつくり、技術が継承され、安心安全で持続可能な公共交通機関として再生をする」と述べた。

 市交通局によると、市電の乗務員は、国家資格を持つ運転士約80人と運転士を目指す研修生約10人、車掌約10人の計約100人。人件費抑制のため、2003年度を最後に正規職員は採用しておらず、現状は1人を除き、いずれも非正規雇用の会計年度任用職員。平均年齢は43.9歳で、昨年度の平均年収は約450万円。定着率は低く、トラブルを受けた職員アンケートでは将来の生活設計への不安を訴える声もあがっていた。鹿児島市電の乗務員は原則、正規職員という。

 今回の正規雇用化は、熊本市…

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