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「ビッグベン」でも知られる英国会議事堂=2025年4月16日、ロンドン、藤原学思撮影

 時計台「ビッグベン」で知られる英国会議事堂を見つめる形で、1人の偉人の像がたっている。

 女性の参政権獲得のために奔走した経済学者、ミリセント・フォーセット。死去1年前の1928年、英国では男女平等の参政権が認められた。

 それから1世紀近く。2025年4月16日朝、像の前には「女性の権利」を訴える女性たちの姿があった。《女性は生まれるものだ》。手に持つ紙片には、そう記されている。

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英最高裁前で、判決を受けて主張を掲げる女性。「女性は生まれるものであり、書類を持った男ではない」と訴えている=2025年4月16日、ロンドン、藤原学思撮影

 像の背後にある最高裁はこの日、2010年成立の平等法に基づく保護を受ける「女性」について「生物学上の女性」とする判断を下した。

  • 英平等法の保護対象は「生物学上の女性」 最高裁が判断

7年前、スコットランドで始まった

 訴訟の発端は、18年にさかのぼる。

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 スコットランド議会が、公的…

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