神里達博の「月刊安心新聞+」
トランプ政権が「復活」して3カ月あまり、米国、そして世界はますます混迷の度を深めている。
政権は米国際開発局や教育省などの連邦職員を多数解雇すると発表、政府を混乱に陥れた。かと思えば、ハーバードやコロンビアなどの名門大学への補助金を止め、さまざまな科学研究の予算も大幅に削減した。
また、1798年に制定された法律を持ち出して移民たちを国外に追放、そして、ウクライナのゼレンスキー大統領に対してはロシア寄りの和平案をのむよう、迫っている。
目下、諸外国の最大の関心事は、もちろん関税である。この単語がこれほど激しく世界中を飛び交ったことが、かつてあっただろうか。
それにしても、なぜこの政権はこれほどまでに「極端」なのか。その「原動力」はどこから来るのか。
謎を解くヒントとなる論考が、先月、英国のガーディアン紙に載った。著者は著名な作家ナオミ・クライン氏とドキュメンタリー映画監督のアストラ・テイラー氏だ。「終末論ファシズムの台頭」という題の長い論考だが、全体として、トランプ政権を支える諸勢力は危険な「終末論」的思想で結びついているとして、警鐘を鳴らす内容となっている。その議論の前提と骨格を概説しよう。
トランプ政権2期目の大きな…