2018年11月、G20の記念撮影に臨む(左から)フランスのマクロン大統領、トランプ米大統領、安倍首相。肩書は当時=ブエノスアイレス(代表撮影)

ジャックドロール研究所 シリル・ブレット研究員

 米大統領選で勝利したトランプ氏は米欧の軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)の在り方に強い不満を示し、ロシアの侵攻が続くウクライナへの支援には批判的です。NATOを安全保障の要としてきた欧州は、2期目のトランプ氏にどう向き合うのか。仏シンクタンク「ジャック・ドロール研究所」の研究員で地政学が専門のシリル・ブレット氏に聞きました。

 ――米国のトランプ前大統領の復権は欧州にどんな影響を与えると見ていますか。

 トランプ次期米政権の欧州への優先順位は二の次になるでしょう。欧州側は安全保障の分野で大幅な費用の負担増を求められる可能性があり、トランプ氏の公約の関税導入はドイツやフランスのような欧州連合(EU)の経済国にとって大きな懸念です。トランプ氏の動きを最も恐れているのは欧州だと言えます。

トランプ氏を最も恐れる欧州の「歴史的チャンス」

 一方で、欧州は独自の同盟ネ…

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