トランプ米大統領は25日、米連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック理事に対して解任を告げる文書を、自らのSNSに投稿した。トランプ政権はクック氏が有利な条件で住宅ローンを受けるため、書類を偽造したと主張していた。米大統領がFRB理事を一方的に解任するのは極めて異例。
トランプ氏はこれまでFRBに強く利下げを求めるなど、圧力をかけてきた。クック氏の後任には、自身に近い人物を充てる可能性がある。
トランプ氏はクック氏に宛てた文書で、「合衆国憲法第2条および連邦準備法に基づく私の権限により、あなたはFRBの理事の職を即時に解かれる」と述べた。
大統領は「正当な理由」がある場合にのみFRB理事を解任できるとされている。トランプ氏は文書で「あなたを解任する十分な理由があると判断した」と述べ、クック氏の不動産取引での不正疑惑を記述した。
トランプ氏はこれまでも、書類の偽造疑惑を指摘した上で、クック氏が自ら辞めない場合は解任すると警告していた。これに対しクック氏は辞任するつもりがない考えを示していた。
クック氏は学者出身で、民主党のバイデン前大統領の指名で2022年5月に就任した。黒人女性初のFRB理事で、任期は38年まで。