米フロリダ州の私邸「マール・ア・ラーゴ」で2025年2月18日、記者団に話すトランプ大統領=ロイター

 ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、トランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の確執が深まっている。ゼレンスキー氏から「偽情報空間に生きている」と批判されたトランプ氏は「選挙を経ていない独裁者」だと反撃した。非難の応酬は激化している。

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 トランプ氏は19日、自身のSNSへの投稿でゼレンスキー氏を「さしたる成功も収めていないコメディアン」と呼び、「勝てる見込みのない、始める必要もなかった戦争に、米国を説き伏せて3500億ドル(約50兆円)もの費用を投じさせた」と主張した。

 戦争はロシアの侵攻で始まったが、トランプ氏はウクライナにも非があると示唆してきた。米外交問題評議会によると、米議会が2022年2月のロシアのウクライナ侵攻開始を受けて確保した予算は1750億ドルで、3500億ドルの根拠は不明だ。

置き去りにされたウクライナは反発

 トランプ氏は、ゼレンスキー氏が米国の支援の半分は「使途不明」だと認めていると主張し、「彼は選挙を拒否し、ウクライナの世論調査では(支持率は)非常に低く、得意なのはバイデン(前米大統領)を操ることだけだった」とこき下ろした。トランプ氏は18日にも、ゼレンスキー氏の支持率は4%だと根拠を示さず主張した。戦時体制のウクライナでは昨年予定された大統領選が延期されているが、トランプ氏の発言は、ゼレンスキー氏の正統性を疑問視し選挙の実施を主張するロシア側の要求に沿うものだ。

 戦争は「美しい海」を隔てた…

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