トランプ関税の影響に身構えていた米国経済が揺れている。「雇用と物価の双方にリスクがある」と米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が記者会見で語ってからわずか2日後の8月1日、「リスク」は想定以上に悪い結果となった雇用統計に表れた。
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1日公表の7月の雇用統計で、景気と密接に絡む非農業部門の就業者数の伸び(3カ月平均)は3万5千人で、新型コロナ禍以来最低だった。5、6月の就業者数の伸びが、当初発表よりも25万人超も下方修正されたためだ。
米国経済の好調ぶりをアピールしてきたトランプ大統領は、この雇用統計の結果に強い不満を表した。過去にさかのぼって数値の変動が起きること自体が「重大な誤り」だとして、雇用統計を所管する労働省幹部を解雇した。
今回の雇用統計はFRBの金…