2019年6月30日、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線上の板門店で握手するトランプ米大統領(右)と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長(いずれも当時)。朝鮮中央通信が配信した=ロイター

 トランプ米大統領と石破茂首相が7日、米ワシントンで会談する。議題の一つとなるのが、北朝鮮問題だ。トランプ氏は1期目に続き、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記との直接対話に意欲を示す。トランプ氏が北朝鮮の「完全な非核化」を目指さないのではないかとの懸念が広がるなか、元米高官からは「日本の頭越しのディール(取引)」を心配する声が出ている。

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 「彼(金氏)とは仲が良かった。彼は核保有国だが、うまくやれた。私が戻ってきて、彼は喜ぶだろう」

 就任当日の1月20日、トランプ氏は記者団にこう語った。ヘグセス国防長官も、就任を前にした上院での公聴会に向けた書面で「北朝鮮の核保有国としての地位は、朝鮮半島、インド太平洋地域、世界の安定に対する脅威だ」と述べた。

 歴代の米政権は北朝鮮を核保有国と認めていない。トランプ氏らが政策変更を意図して発言したのかは明らかではないが、こうした発言は波紋を呼んだ。米国家安全保障会議(NSC)のヒューズ報道官はその後の朝日新聞などの取材に、「トランプ大統領は1期目のように北朝鮮の完全な非核化を追求する」と述べ、火消しに追われた。

北朝鮮の非核化は「ありえないほど非現実的」

 ただ、北朝鮮の「完全な非核…

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