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2024年5月21日、米ニューヨークの刑事裁判所の法廷に座るトランプ前大統領=ロイター

 トランプ前大統領が元不倫相手に「口止め料」を支払ったことを隠すため業務記録を偽造したとされる刑事事件の裁判で21日、検察・弁護側がともにすべての証人尋問を終えた。トランプ氏本人は、被告人として法廷で証言することのないまま立証は終了した。

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米国の大統領経験者として、初めて刑事訴追されたトランプ氏。コラム「トランプ法廷」では、前代未聞の 裁判が映し出すものを随時、現場から報告しています。

 検察が請求した19人の証人尋問は20日までに終了し、残るは弁護側となっていた。だが弁護側が請求した証人は2人にとどまり、21日に立証は終了。弁護側の証人としてトランプ氏本人が証言するかどうかが最大の焦点だったが、結局は証言台に立つことはなかった。

 初公判の前には、トランプ氏は記者団に「私は証言する。絶対にだ」と述べていた。しかし、米国の刑事裁判では被告人に証言する義務はなく、むしろリスクの方が大きいとみる専門家が多かった。証言に立てば「(不倫相手とされる)ダニエルズ氏と性的関係にあったのか」といった検察側の反対尋問に遭う可能性があるためだ。こうしたリスクを踏まえ、弁護団はトランプ氏に証言をさせない判断を下したとみられる。

 一方で、トランプ氏はこの日…

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