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サウジアラビアで開かれた国際経済会議に出席したムハンマド皇太子=2018年10月24日、高野裕介撮影

 中東の地域大国サウジアラビアの外務省は23日、米国のトランプ大統領とサウジの国政の実権を握るムハンマド皇太子が電話協議したと発表した。ムハンマド氏は今後、トランプ政権が続く4年で、米国に対して6千億ドル(約94兆円)規模の投資や貿易をする意向を伝えた。

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 外務省の発表によると、2人は中東の平和と安定を促進し、テロと戦うための両国間の協力について協議した。ムハンマド氏は、前例のない経済的繁栄を生み出す米政権の能力に言及し、サウジが投資などを通じて協力していくと伝えたという。

 トランプ氏は1期目で、アラブ首長国連邦など一部のアラブ諸国が長年敵対してきたイスラエルとの関係を正常化した「アブラハム合意」を主導した。バイデン前政権もこの流れを引き継いで、イスラエルとサウジの関係正常化に向けて取り組み、米国とサウジの間での安全保障協定の締結などを協議してきたが、実現には至らなかった。2期目のトランプ政権は、さらにこの動きを加速するとみられる。

 米国務省は22日、ルビオ国務長官もムハンマド氏と電話会談したと発表した。ルビオ氏はムハンマド氏に、シリアやレバノン、パレスチナ自治区ガザなどをめぐる問題で協力していく意向を示し、「イランとその代理勢力による脅威」についても強調したという。

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