トランプ次期米大統領の公約に、不法入国してきた移民に対する「史上最大の強制送還」がある。

 実行に移されれば、何が起きるのか。ヒントを得るため、南部ミシシッピ州を訪ねると、移民たちをめぐる割り切れない現実がみえてきた。

母国グアテマラから逃れて20年近く米国で働く女性。6年前にも不法移民として拘束され、いまは保釈中。トランプ氏の大統領就任を前に、4人の子どもたちとの将来への不安が絶えない=2024年12月19日、米ミシシッピ州フォレスト、高野遼撮影

 「6年前の8月、ちょうど勤務が交代する朝7時ごろのことでした」。中米グアテマラ出身で20年ほど米国に暮らすガスパー・カルメロさん(45)は、その日のことを振り返る。「催涙ガスとライフルを持った係官たちが、一斉に工場に踏み込んできた」

 「動けば撃つぞ」と怒号が飛…

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