Smiley face

 トランプ米大統領が世界各国・地域にかける新たな「相互関税」が8月7日に発動します。関税交渉で米国と合意した日本は、予告された25%ではなく15%の税率で決着しましたが、交渉中のまま期限を迎えて税率アップとなった国々もあります。米国と世界各国との交渉状況をまとめました。

①米国と合意を締結

 7月31日の大統領令署名までにトランプ政権が関税交渉で合意したと発表したのは、7カ国・地域だ。第1号は5月に合意した英国だった。

 日本は7月22日に5カ国目として合意が発表された。7月上旬にトランプ氏から税率25%を通告されていたが、交渉期限とされた8月1日までに税率15%への引き下げを実現させた。懸案だった自動車関税も27.5%から15%に下がる。引き換えに、日本は米国に対して5500億ドル(約80兆円)を投資する。

 その後に合意した欧州連合(EU)や韓国も、巨額の対米投資やエネルギーの購入などを約束して、税率の引き下げを勝ち取った。いずれも相互関税の税率は予告されていた25~30%から15%に引き下げられる似たパターンで決着した。

 一方で、東南アジアのベトナム、インドネシア、フィリピンの3カ国は19~20%とやや高めの税率で合意している。

 米政権高官はこれまでに「18の主要貿易相手の3分の2と合意した」と説明しており、米側が発表していない国もあるようだ。ただ、トランプ政権は4月の時点では、「90日間で90のディールを成立させる」と意気込んでいた。実際に合意した相手は、目標には遠く及んでいない模様だ。

②米国が新税率を通告

 米国とディール(取引)を結…

共有