米ホワイトハウスのローズガーデンで2025年4月2日、新たな関税について発表するトランプ米大統領=AP

 トランプ米政権が2日に詳細を発表した「相互関税」は、アジア太平洋各国にも衝撃を与えた。対米貿易黒字を抱える国の多くは、第1次トランプ政権発足以降、米中摩擦の隙を突くように対米輸出を加速させてきた。多くの国が米国への批判を避けて妥協点を探るが、通商政策の見直しは避けられない。

  • いきなり矢面に立ったインド トランプ氏「相互関税」矛先向く3要素

 トランプ政権の相互関税は、ほぼ全ての国や地域に一律で10%の関税を5日からかける。そのうえで、高い貿易障壁を持つ相手に対し、より高い税率を9日から適用する。

 「市場を多様化させ、自立した経済を構築することが必要だ」

 米国への輸出品に対する税率を46%とされたベトナムのファム・ミン・チン首相は3日、緊急の閣僚会議を開き、特別対策チームの設置を指示した。成長目標の維持とともに、輸出先の多角化に向けた協議を進める。

 ベトナムにとって、米国は最大の貿易相手国の一つ。国営メディアによると、2024年の対米輸出額は約1195億ドル(約18兆円)で、収支は大幅な黒字だ。米国から見れば、対ベトナム貿易赤字額は国別で3番目に多い。

アップルやナイキ、サムスンも拠点

 相互関税の導入により、ベトナムでは電子機器や繊維などの業種が打撃を受けると予想される。ベトナムには米国のアップルやナイキ、韓国のサムスン電子といった多国籍企業も製造拠点を構え、国際的なサプライチェーン(供給網)にも影響を及ぼす恐れもある。

 現地紙のVNエクスプレスによると、政府は地域的包括的経済連携(RCEP)などの自由貿易協定(FTA)を活用し、日本や欧州連合(EU)への輸出拡大を目指す方針を示した。

 関税率を36%に設定されたタイ。ペートンタン首相は3日、「このような計算結果は、これまで見たことがない」と報道陣に語った。米国との交渉は「可能だ」との考えを示しつつ、米国製品に対する関税率について「再編成」が必要だとの認識も明かした。

 ロイター通信は2日、タイ政府高官の話として、米国がタイに対して同国と同率の関税を課した場合、タイ経済に70億~80億ドル(1兆300億~1兆1770億円)規模の損失をもたらす可能性があると指摘。影響回避に向けて「あらゆる方法を検討していく」とのコメントを紹介した。

「論理的根拠がなく友人の行為ではない」

 一方で、冷静な反応を示す国…

共有
Exit mobile version