2006年のノーベル平和賞受賞者で、バングラデシュ暫定政権を率いるムハマド・ユヌス首席顧問(84)が、朝日新聞との単独会見に応じた。インタビューでの主なやりとりは次の通り。
- 平和賞受賞のバングラ暫定政権トップ「前政権の裁判後に選挙する」
- 【そもそも解説】来日のバングラデシュ暫定政権トップ ユヌス氏とは
――暫定政権を率いた期間を振り返って。
荒廃した経済と、司法・警察などの行政機構のもとで、公務員は前政権のために献身的に働いていた。そこに突如、新たな指導者が現れ、「逆のこと」をしなければならなくなった。彼らの中には、なお旧体制への忠誠心を捨て切れていない人もいる。彼ら自身も「政治的」に影響を受け、旧体制の指導者の言葉を信じ、学生たちの街頭での抗議を否定するようになっていた。国連への記録文書がなければ、おそらく自らが犯した殺人を含むすべての行為について「起こらなかった」と主張し続けることでしょう。しかし、世界に対してそれが「起きなかった」と納得させることはもはや難しい。銃撃など街中でのひどい行為が映像に記録されています。
――いま最大の課題は、総選挙がいつ行われるかです。
暫定政権を引き受けた際、我々は(取り組むべき)業務内容を明確に定義し、どう進めていくかを説明しました。まずは改革。我々は旧態依然とした組織や文書業務、腐敗の余地を残したくない。そうした慣行が戻ってこないよう、規則や機関を変えます。次に、人々を殺し、寄付や財源を奪った人々を裁判にかけること。そして、選挙の実施です。私は今年の12月から来年6月までに選挙を実施すると言いました。日程を確定する必要がありますが、来年6月までには実施します。
――あなた自身は立候補しますか。
ハシナ前政権の崩壊を受けて、昨年8月からバングラデシュの暫定政権を率いるユヌス氏。「マイクロクレジット」を通じて貧困撲滅に取り組んだソーシャルビジネスの第一人者は、記事後半でトランプ関税やロヒンギャ問題について語っています。
選挙に出るつもりはありませ…