30日の東京外国為替市場は円相場が円高ドル安に振れ、一時1ドル=143円台前半をつけた。前日夕に比べて2円ほど円高の水準だ。トランプ米政権の「相互関税」について主要部分を違法とした司法決定をめぐり、米連邦控訴裁が決定の効力を一時的に止める命令を出し、関税措置がしばらく維持される見通しになったことで、景気減速に対する懸念からドルを売って円を買う動きが進んだ。
「違法」との司法決定が出た前日は急激な円安ドル高になっていた。1日で再び円高に巻き戻された形だ。
円高が輸出関連株の株価の下押し要因になり、30日の東京株式市場では日経平均株価が反落。一時、前日終値よりも600円超、値下がりした。終値は467円88銭(1.22%)安い3万7965円10銭。東京エレクトロンなどの半導体関連株や、ソフトバンクグループも大きく値を下げた。
大手証券のアナリストは「30日に発表があった東京都区部の消費者物価指数の上昇も円高ドル安の後押しになった」と指摘する。