ほぼ全世界に課した「相互関税」などトランプ関税の一部について、米裁判所は28日、政権側に差し止めを命じた。今回「違法」と判断された関税措置は、当初から法的根拠の弱さが指摘されていた。トランプ関税が違法かどうかの争いは、連邦最高裁までもつれ込む可能性が濃厚だ。
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全世界に一律関税10%、中国には追加関税60%――。トランプ氏はそう訴えて2024年の大統領選を勝ち抜いた。選挙後の11月下旬には「中国に10%、カナダとメキシコに25%」の関税をかけると宣言した。
その「選挙公約」を実現させるため、政権が法的根拠として持ち出したのが今回の裁判で焦点となった国際緊急経済権限法(IEEPA)だった。
同法は「異常かつ極めて深刻な脅威」に米国がさらされた場合、大統領が国家非常事態を宣言すれば、大統領に「輸入の規制」を含む広範囲な権限を与えるものだ。
これを根拠に、トランプ政権は中国、カナダ、メキシコへの20~25%の国別関税と、ほぼ全ての国・地域に10%かそれ以上を課す「相互関税」を、看板政策としてそれぞれ発動した。
ただ、IEEPAの適用には大きな問題があった。
大統領が非常事態宣言下にと…