村田製作所のロゴ

 電子部品大手の村田製作所の中島規巨(のりお)社長は30日、米トランプ政権の関税政策の影響について、「(電子部品を使った完成品である)セットが売れなくなる。たとえば、スマートフォンで我々の想定(台数)より1%下がることによって、約50億円の減収になるだろう」と述べた。同社はスマホ1台に1200個ほど使われる積層セラミックコンデンサーで世界トップのシェア4割を握り、スマホの販売台数が減ると収益に直結する。「利益ベースではまだ計算できていないが、副次的な影響が出ることは想定している」とした。

 同社が30日発表した2025年3月期決算は、売上高が前期比6.3%増の1兆7433億円、本業のもうけを示す営業利益は同29.8%増の2797億円、純利益は同29.3%増の2338億円だった。主力のスマホなど通信機器用の部品は微減だったが、自動車向けやコンピューター向けの部品が伸び、全体としては増収増益となった。

 26年3月期の業績予想には米国の関税政策の影響は盛り込まず、売上高が前期比5.9%減の1兆6400億円、営業利益は同21.3%減の2200億円、純利益は同24.3%減の1770億円を見込む。この予想では、スマホの台数は横ばいとし、為替の円高傾向や部品価格の下落などを見越し、減収減益とした。

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