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中国外務省の林剣副報道局長(画面左)=畑宗太郎撮影/高関税をかけるトランプ氏を「万税爺」と呼ぶ画像(画面右)=中国のネットメディアから。デザイン・郭溢

 中国が明らかにギアを上げた。

 4月4日、中国は祝日だった。2日前に米トランプ政権が各国に課すと公表した高率の関税に、中国が報復措置を打ち出すことを公表した。

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 米国が中国に追加関税として課したのと同じ、34%の対米関税。レアアースの輸出規制……。一連の措置は、「11本の矢」の呼び名で国有メディアなどで報じられた。米国に対抗する事態を勇ましい言葉で表現し、世論へ訴えかける「宣伝戦」も始まっていた。

 「中国は貿易戦を望まないが、それを恐れもしない」「圧力と脅しは、中国とつきあう正しい方法では決してない」。共産党機関紙の人民日報は連日、一方的な高関税で譲歩を迫る米国のやり方を批判する論評を載せた。

 米国のやり方については「経済覇凌(パーリン)(いじめ)」という表現が定着した。覇凌は、英語でいじめを意味するbullyの音を取った語とされる。

 中国の徹底した対抗姿勢を表す言葉を、外務省の定例会見で林剣副報道局長が用いたのは4月8日だ。「米国がかたくなに貿易戦を戦うというのならば」と前置きをして、こう続けた。

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 「奉陪到底(フォンペイタオ…

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