トルコの最大都市イスタンブールのイマモール市長が19日、汚職やテロ組織支援などの容疑で当局に拘束された。トルコメディアが一斉に報じた。国民に高い人気を誇るイマモール氏は首相時代を含めて20年以上にわたって権力を握るエルドアン大統領の「最大のライバル」とも評され、次期大統領選の野党側候補として有力視されていた。
イマモール氏は19日、自身の広報を通じて発表した声明で、「この非道で専制的な対応は、国民の意志によって覆されるだろう」とした上で、捜査当局やエルドアン氏が「司法の場で責任を問われることになる」と非難した。国政最大野党、共和人民党（CHP）は近く、イマモール氏を2028年に予定されている次期大統領選に向けた同党の候補として指名する見込みだった。CHPのオゼル党首は19日、X（旧ツイッター）で「次期大統領に対するクーデターの企てだ」と批判した。
同市を含むイスタンブール県の知事は治安維持のため、23日まで同県での集会やデモ、記者会見の開催を禁止すると発表。XやインスタグラムなどのSNSも現地時間の19日正午時点で接続できない状態が続いている。
