Smiley face
写真・図版
映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」から(きゅうりゅうじょうさい)
©2024 Media Asia Film Production Limited Entertaining Power Co. Limited One Cool Film Production Limited Lian Ray Pictures Co., Ltd All Rights Reserved.
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 香港映画「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)」のヒットを受けて、原作の日本語版「九龍城砦Ⅰ 囲城」(早川書房)が刊行された。かつて香港にあった高層スラム「九龍城砦」を舞台にした友情と復讐(ふくしゅう)の物語は、日本でも女性を中心に熱狂的なファンを生んだ。

 劇中に登場する「叉焼飯(チャーシューファン)」のレシピを女性誌が特集したり、ファンたちが次々とネットにファンフィクション(二次創作)を投稿したり。日本での人気ぶりに驚く原作者の余兒(ユーイー)さんに来日中、インタビューした。

  • 「トワイライト・ウォリアーズ」アクション監督が語るリアルの越え方

 ――2日に、東京・新宿で行った余さんのファンイベントは400席の有料チケットがわずか3分で売り切れたそうですね

 「びっくりの一言です。漫画やアニメなど、日本文化も多く登場する作品なので、少しは受け入れてもらえるかとは思っていましたが、映画がここまでのヒットになるのは予想外。日本語版が出版される前から、翻訳ソフトを使って原作を読んでくれたファンもいたり、物語の中に何度、四字熟語が登場するかを分析してくれた人がいたり。日本のファンは、作品そのものに対する興味が強いと感じました」

残したかった九龍城砦の風景

 ――九龍城砦という場所を作品の舞台に選んだ理由とは

 「祖父が九龍城砦の近くに住んでいて、子どもの頃、映画に連れて行ってもらう時によく城砦の近くを通っていました。当時は、汚くて怖くて危険な、関わりたくない場所という感覚で、中に入ってみようとは思わなかった。でも、大人になってできた欧州の友人の建築家には、城砦の構造を研究している人もいた。外国の人から見ると『アメージング』な場所なのだと気づきました」

 「香港の漫画は、90%くらいはアクション漫画です。大人になって(漫画の)シナリオライターになった後、九龍城砦のような場所で戦闘をしたら、面白いのではないかと思うようになりました。その頃はもう建物は壊されてしまっていて、香港人による資料もあまり残っていなかったので、あの場所を作品として残しておかなければならないとも思っていました」

 ――どんな場所だったのですか

 「建物が密集していて、料理…

共有