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2023年10月12日、ポーランドとの国境に近いドイツ東部フォルストで、不法移民を取り締まるパトロールを行うドイツの警察官=ロイター

 ドイツ内務省は9日、不法移民らの流入を防ぐため、16日から、隣接する全9カ国との陸路の国境で一時的に国境審査を導入する方針を発表した。独西部で8月に過激派組織「イスラム国」(IS)の一員の疑いがあるシリア人に3人が刺殺された事件などを受け、治安維持の観点から国境管理の強化を求める声が強まっていた。

 同省の発表によると、オーストリア、ポーランド、チェコ、スイスの計4カ国との国境では警察官による国境審査を実施し、滞在許可証などのない不法移民らの入国を取り締まっている。今回、新たにフランス、ルクセンブルク、オランダ、ベルギー、デンマークの残り5カ国との国境でも16日から6カ月間、同様の措置を取ると欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会に通知した。審査の場所や時間は柔軟に決めるとしている。詳細は主要野党などとの協議で詰める。

 同省によると、ポーランドなど4カ国との国境では、対策を強化した昨年10月半ば以降、3万人以上の入国を拒否したという。フェザー内相は今回の措置について不法な移民を減らすとともに、「過激なイスラム主義者のテロリズムや国境を越えた重大な犯罪の深刻な脅威から守る狙いもある」とし、治安の強化を図る狙いも強調した。

 独西部ゾーリンゲンでは8月…

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