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ベルリンで2025年7月29日、記者会見するドイツのメルツ首相(右)とヨルダンのアブドラ国王=AP

 ドイツのメルツ首相は29日、飢餓が深刻化するパレスチナ自治区ガザで、今週末までに人道支援物資を空中から投下する、との方針を明らかにした。ドイツはイスラエル寄りの姿勢を取っているが、ガザの人道危機状況への懸念を強めている。作戦はヨルダンの協力を得て、フランスや英国とも連携するという。

 ベルリンを訪問したヨルダンのアブドラ国王との共同記者会見で、メルツ氏は「イスラエルは、ガザの壊滅的な人道状況を迅速かつ断固として改善しなければならない。苦しんでいる民間人に、人道的で緊急に必要とされている物資を提供しなければならない」と強調した。ヨルダンにドイツの航空機2機が向かっている途中だとし、支援物資の投下は早ければ30日にも行われる可能性があると述べた。

 ナチス・ドイツのホロコースト(ユダヤ人大虐殺)の歴史を抱えるドイツはイスラエルを支える姿勢を保っているが、メルツ氏は人道的危機を招いているガザへの攻撃について「正当化することはできない」と繰り返しており、イスラエルに今後どう圧力をかけていくかが注目されている。メルツ氏によると、8月7日に独仏英の外相がそろってイスラエルを訪問する方向で調整しているという。

 ただ、パレスチナの国家承認…

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