2月の総選挙で、排外主義的な主張を掲げる右翼「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に躍進し、右傾化も指摘されるドイツ社会。ドイツの現代民主主義の課題を研究するルール大ボーフムのオリバー・レンブケ教授は「右傾化という言葉は使いたくない」と言います。AfDが台頭する背景には何があるのか。現地での受け止めを聞きました。
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右翼「ドイツのための選択肢(AfD)」は2013年、ギリシャなど財政危機国への支援に反対する政党として誕生しました。
反移民・難民の姿勢を強め、移民流入への不満の受け皿になっていますが、欧州連合(EU)にも懐疑的です。ナチス時代のスローガンを訴えたメンバーもおり、第2次世界大戦の反省をもとにしたEU内で信頼されるドイツの立場を、壊しかねない政党として強く拒む人も多い。
ただ、総選挙で得票率を倍増させ第2党になったことに驚きはありません。深刻な経済停滞を招いたショルツ政権は不人気でした。難民らによる襲撃事件が相次いだことで移民問題が第一の争点になり、AfDに追い風が吹いていました。
AfDに投票した人は3グル…