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2024年8月26日、ドイツ西部ゾーリンゲンの刺殺事件現場で花を手向けるドイツのショルツ首相(中央)
ら=ロイター

 ドイツ西部ゾーリンゲンで刃物で切りつけられた3人が死亡した事件で、容疑者のシリア人の男(26)は一昨年に難民申請のためドイツに入国した後、国外に送還される予定だったが、一時行方をくらましていたと独メディアが報じた。ショルツ首相は26日、在留許可のない不法な移民や難民の国外送還を強化する考えを表明したが、野党からはシリアなどから難民受け入れ中止を求める声が上がり、難民政策に影を落としている。

 独検察当局は25日、拘束していたシリア人の男を殺人やテロ組織への参加などの疑いで逮捕した。過激派組織「イスラム国」(IS)の一員だった疑いがある。男は多様性をテーマにした市制施行650周年を祝う祭典で「異教徒と見なした人々をできるだけ多く殺害することを決意し、来場者の首や上半身をナイフで何度も刺した」といい、3人が死亡し、8人がけがをした。

 独誌シュピーゲルなどによると、男は2022年末にドイツに来て難民申請した。「難民申請は最初に上陸した国で行う」とする欧州連合(EU)の「ダブリン規則」と呼ばれるルールに基づき、最初の上陸国の東欧ブルガリアに送還するために昨年半ばに行方を捜した。しかし、入居施設から姿をくらましていたという。

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