新学期が始まって、約1カ月。クラス替えがあった児童や生徒は、新たな仲間に慣れてきたころでしょうか。ところで、外国でもクラス替えはあるのでしょうか。運動会や授業参観は……。教育大国で知られ、16歳未満のSNS利用を制限することでも話題のオーストラリア(豪州)の教育事情に詳しい元教諭の本柳とみ子さん(71)に聞きました。
――豪州にも、クラス替えはあるのですか。
あります。ただ、日本のように、新年度初めの始業式で発表されるのではなく、旧クラスで報告されたり、前年度の終わりや年度末の長期休みにメールで通知されたりします。
欧米もクラス替えはありますが、豪州と同じように、あまり大きな関心事ではないです。日本のように新学期に一喜一憂する親子は、ほとんど見られず、日本は珍しいのかもしれません。
――なぜなのでしょう。
クラスは朝の出席確認や連絡事項の伝達の場で、全員が同じ教室で一日を過ごすことは、ほぼありません。自分の荷物は教室の外のロッカーや廊下の棚などに置き、座席も決まっていないことが多いです。
まとまりや団結、協力といったことが求められることはなく、クラスという存在がそれほど重視されていません。クラス対抗の活動や行事も少ないです。
――どのような背景があるのでしょうか。
豪州は多民族の国で、様々な…