NTTドコモの前田義晃社長が朝日新聞の取材に応じ、5月に買収を発表した住信SBIネット銀行について、口座数や預金を伸ばして「ネット銀行1位を狙う」と語った。銀行業への参入で経済圏拡大や既存の金融サービスの成長をめざす考えも示した。
ドコモは携帯大手で唯一、グループ内に銀行をもたず、銀行参入は悲願だった。住信SBIの3月末時点での口座数は825万、預金残高は9兆8千億円で、ネット銀行最大手の楽天銀行（約1700万口座、11兆4千億円）を追う。前田氏は「我々と一緒になることで成長のスピード感はさらに増す」と自信を見せた。通信料金の支払いなど自社サービスでの口座利用を促進して口座数を伸ばし、業界トップをめざすとした。
銀行機能を持てば、自社サービスの支払いに口座を利用してもらうことで、ドコモが他行に支払っていた手数料が手元に残る。前田氏は「キャッシュアウトしないお金を原資に、dポイントの還元などでお得感を出したい」と話し、経済圏の囲い込み強化に意欲を示した。
既存の金融事業との連携効果…
