「ぼく、ドラえもん」。あの独特の声は、もう聞けない。声優・俳優の大山のぶ代さんが亡くなった。後輩や仲間から惜しむ声が相次いだ。
「彼女はドラえもん、そのものですよ。あの声は地声なんですよ」
大山さん夫妻と家族ぐるみの付き合いのあった俳優・タレントの毒蝮三太夫さん(88)は、朝日新聞の取材にそう語った。一緒に外出すれば、大山さんの声にファンが気づき周囲は騒然。「子どもが寄ってきて大変でした」と懐かしんだ。
大山さんが認知症になると、夫で俳優の故砂川啓介さんが介護に当たった。会う度にどんどんやつれていく砂川さんを見かね、「(世間に)発表しちゃった方が楽だよ。介護は一人で背負ってちゃだめだ」と毒蝮さんが助言。その後、砂川さんがラジオで公表した。
「今ごろあの世にいって、『啓介さん来たわよ』って言って、『なんだお前遅かったじゃないか』なんて話していると思うよ。俺たち夫婦はあいつらのためにも、1日でも元気で長生きして、2人のことを語っていかないと」
先代しずか役だった野村道子…