ピアニストの森本美帆さん(奥)の指導を受け、練習する石本ゆりさん=大阪市旭区、林敏行撮影

 グランドピアノに向かう大阪市の小学5年、石本ゆりさん(10)が「はっ」と大きく息を吸った。

 その瞬間、曲のテンポが速くなり、小さな両手が鍵盤を右へ左へ滑るように動く。

 「こっちとこっち、どう違う?」

 隣に座る指導者のピアニスト、森本美帆さん(37)がグランドピアノを弾いてみせて、ゆりさんに問いかけた。

 ゆりさんが、森本さんの目をまっすぐに見て、答える。

 「色が違う」

しなやかな運指で演奏する石本ゆりさん=大阪市旭区、林敏行撮影

色音符で数十曲を覚える

 楽譜は読めない。ドは赤、レは黄、ミは緑……。音符に色を塗り、色彩で曲を覚える。

 4月のリサイタルに向けて練習に励むベートーベンの「ピアノソナタ第5番ハ短調Op.10-1」やリストの「小人の踊り」など数十曲に及ぶ難曲はすべて頭に入っている。

 明るく軽快な音は「キラキラ…

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